この世界では多くの大地を吸血鬼が支配しています。街を作り、人間を家畜にし、血や酒におぼれて暮らす彼らをまとめていたのは彼らにとって唯一の吸血鬼の王です(○○王と呼ばれる奴らはいっぱいいるけれども)。
吸血鬼はそれぞれの血に強さを示す階級があり、上から「皇帝級(カイザー)」「王級(キング)」「大公級(プリンス)」「公爵級(デューク)」「侯爵級(マーキス)」「伯爵級(アール)」「子爵級(ヴァイカウント)」「男爵級(バロン、バロネス)」「騎士級(ナイト)」「平民級(ノーマル)」「奴隷級(スレイブ)」となっており、下の者が上の者の血の影響を受ける(例えば飲むなりする)と服従状態となり命令に逆らえなくなります。
血液の階級は生まれながらにある程度決まってはいますが、いくつかの方法で階級を上げることができます。
一つ目は、階級が上の吸血鬼の体内の血をすべて飲み干して殺してしまうことです。そうすると階級が現在の自分のものより一つ上がります。相手があまりにも上の者の場合は二つ三つ上がる事例もあるようです。
二つ目が、血の契約を結ぶ際に上の階級の者が自分より下の指定した階級にすることができるというものです。基本的には引き上げる事例が多いですが、場合によっては下げることも可能です。
この世界に皇帝級はたった一人しかいませんが、その皇帝級であったものが元この世界を全ていた王であり現在行方知れずとなっています。
彼らは家畜にしている人間と違い素で身体能力が高いうえに、自分の血液を用いて血液呪文(ブラッドスペル)を使用できます。
彼らは陽の光で弱体化します。身体能力や血液呪文の力がだいたい半減ほどのデバフを受けます。また、吸血鬼同士以外の攻撃で彼らを深く傷つけられるのは銀製の武器のみです。
彼らの食事は基本吸血で、その対象は吸血鬼、人間、動物と様々です。しかし味は吸血鬼=人間>動物といった感じのようで、吸血鬼と人間は個体によるらしいです。
血液呪文(ブラッドスペル)は、吸血鬼が個人でそれぞれ血の中に持つ呪文を唱えて超常現象を起こす特殊能力です。使用には自分の血液を消費するため、使用しすぎると命の危険が伴います。
実際の能力の効果は、例として血液を発火させて炎を撒き散らしたり、逆に凍らせて操ったり、武器を模らせて固めたりなどがあるそうです。基本的に一人一つですが、まれに二つ持つ者もいるという事例があります。
血の契約とは吸血鬼と吸血鬼、もしくは吸血鬼と人間の間で執り行われる儀式の一つです。
二者の間に様々なルールを設けることができますが、その主な効果は主従関係ともいえる効果を半永久的に付与することができるというものです。上級の者の血を下級の者が飲むことでなる服従状態に上級の者が契約を切らない限りなり続けます。
ほかに前述した契約の際にのみ下級の者の階級を上級の者の一つ下まで上げることも下げることもできるという効果がありますが、契約を切った後でも下級の者の変化した血の階級はそのままになります。また、この応用で人間と血の契約を結べばその人間を吸血鬼にすることができます。
この世界では吸血鬼の食用の家畜として飼われている生物です。施設で育てられたものがそのまま施設で採血され続けるものの他、店頭で売られていたりします。ほかにも物好きな吸血鬼が愛玩動物として飼っていたりします。犬猫と同レベルの普及率なのが恐ろしいところ。
しかし彼らもただ飼われているだけでは無いようであり、一部の人間は自由を手にして吸血鬼に立ち向かっているようです。そういう人間を狩人(ハンター)とよび、ギルドという独自のコミュニティも存在するようです。彼らは銀の武器を用いて吸血鬼と戦います。
この世界は大きな大きな円盤状になっており、その下に向かって重力が働いています。
重力は地球と同じぐらいです。基本的に海の面積が広く、中心に大きな大陸、四方に中くらいの大陸、その他島々が散らばっており、世界の端からは海の水が流れ落ちています。
世界の端から落ちてしまうと何が起こるかわかりません。どうなるかもわかりません。なぜなら帰ってきたものなどいないのだから。
吸血鬼たちは幻想歴という暦を使用します。基本的に我々の暦と変わらず1月から12月で365日1年で現在は幻想歴7565年。王を失ってから2年です。一部大陸をのぞいて四季があります。
吸血鬼社会での通貨の概念のお話です。
通貨名「Darah(ダラー)」通貨記号「D」
硬貨 1D=銅貨 10D=銀貨 100D=金貨 1000D=白金貨
紙幣 5000D=銀紙幣…実際の銀ではなくただの名称。文字が銀色。
10000D=金紙幣…銀紙幣同様。文字が金色。